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口頭発表

 

4、水族館で美術展~博物画を通じて甲殻類動物の生態を深く理解する

 

宮崎 寧子

葛西臨海水族園

共同研究者:荒井 寛 (葛西臨海水族園 )

 

企画展「博物画に観るエビとカニの美―杉浦千里が描いた海の生き物―」は、葛西臨海水族園で2011年の冬に開催された。杉浦千里(1962年~2001年)は、動物、特に甲殻類動物の博物画に熱心に取り組んだ画家である。彼は、生きた形の細部や色を美しく再現した。一方、エビやカニは、水族館では通常どこかに隠れているため、なかなか見ることができない。また、写真では、これらの素晴らしい構造を容易に見ることはできない。外骨格の標本は、時間が経つにつれて色が失われる。したがって我々は、彼の絵の観察を通じて甲殻類動物の生物学的側面を紹介しようと試みた。この企画展で我々は、科学的な情報を絵画に追加することで、甲殻類動物の変化形態や、それが命とどう関係するかということに対する来園者の興味を深めることに重点を置く。細部を観察するために顕微鏡と拡大鏡が提供された。さらに、クイズと塗り絵帳の提供により子どもたちがエビとカニについて学ぶことのできるキッズゾーンが設けられた。実際の甲殻類動物の水槽も、比較のために設置された。このプレゼンテーションにおいて我々は、芸術と水族館のコラボレーションの事例として、この企画展を紹介する。さらに、来園者を観察することで得られた結果およびボランティアからの情報提供について述べる。