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口頭発表

 

21、動物園教育において「紙芝居」という媒体をどのように活用できるか

 

奥山 英登

旭川市旭山動物園

共同研究者:田嶋純子、田中千春、堀田晶子、坂東 元 (旭川市旭山動物園) 山橋知香、山口悦司、稲垣成哲 (神戸大学)

 

紙芝居は、独特の日本文化的な娯楽の1形態であり、語り手は、木枠に入れられた数枚の絵を見せながら、聞き手に物語を語る。紙芝居が子どもたちの娯楽の1形態として初めて登場したのは、1930年代だった。紙芝居の教育効果は現在、広い年齢層で受け入れられる双方向型コミュニケーション媒体の1形態として高く評価されている。
旭山動物園では、こうした効果を動物園でも利用できると考え、紙芝居を用いた教育プログラムを行っている。我々が行う紙芝居の上演は、動物園の動物をベースにしており、動物園スタッフが制作する。プログラムには2種類あり、紙芝居の上演だけのシンプルプログラムと、動物観察活動を含むワークショッププログラムがある。
この研究において我々は、紙芝居を動物園での教育にも活用できるかどうかを検討した。紙芝居の題は、「ペンギンの秘密」である。我々は、シンプルプログラム参加者のアンケートデータと、ワークショッププログラムの間に見られた自然な家族のふれあいのビデオデータを収集した。その結果、「ペンギンについての学習をとことん楽しむことができた」という理由で、紙芝居は参加者からの高い評価を得た。さらに、参加者がペンギンをよりじっくりと、より長い時間をかけて観察する傾向があることが判明した。よって、このことから紙芝居が動物園でも活用できることが示される。