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ポスター発表

 

15、動物園飼育係としての体験:動物園飼育係の仕事について子どもたちはどのように学んだか

 

河村 奈美子

大分大学

 

この研究は、「札幌市円山動物園の子ども1日飼育係」というプログラムについての評価を図ったものである。プログラムは、給餌の準備とケージの清掃を含む3時間(朝9時~昼の12時)のコースを通じたものであった。動物園の飼育係1名が、子ども1名または2名をサポートする。このプログラムは、9歳から12歳を対象とした。プログラムの前と後とに、12項目からなるアンケート用紙が配布され、作成者によって分析された。108人の子どもが動物園でアンケート用紙を受け取った。子どもとその保護者は、研究の目的と方法を告げられた後、保護者が同意書に署名した。アンケート調査で得られたスコアは、SPSS20.0で分析された。合計で53人分のアンケート用紙が回収され(49.1%)、51人分がこの研究の基準を満たしていた。プログラムの体験後、「明るい」、「清潔」、「自然に近い」、「くさい」、「重要な役割を果たしている」、「楽しい」、「日々の観察の重要性」のスコアが著しく増加した(p<.05)。動物への給餌体験の有無による「くさい」の項目における違いは、プログラム参加後にはなくなった。このプログラムを通じて子どもたちは、感覚と知識とを統合し、動物園飼育係の仕事について学んだ。