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ポスター発表

 

5、動物園のフクロウのペリットを用いた教育資料の作成と活用

 

大鹿 聖公

愛知教育大学

 

猛禽類は、骨や体毛といった不消化物を含むペリットを吐き出すことで知られている。ペリットは、猛禽類の食性を調査する一般的な方法として用いられる。米国では、フクロウのペリットは食物網に関する教育資料として使用されている。この研究では、日本の地方の動物園で採取されたフクロウのペリットからなる教育資料が作成された。フクロウのペリットは、日本の9つの動物園で採取され、含有物が分析された。その結果、多くの動物園のフクロウは、主としてネズミかひよこという2種類の動物を食べることが判明した。よって、ネズミとひよこの「ボーンチャート(骨図)」が作られた。「ボーンチャート」とペリットの使用は、日本の中学3年生の科学の授業で試みられ、地方のいくつかの動物園でも、来園者がフクロウの食性を理解できるように、レクチャー活動で使用された。その結果、参加者の大部分がペリットを積極的に観察することができた。したがって、我々は、動物園のフクロウのペリットは、フクロウの食性と食物連鎖システムを理解するうえで、教育資料として効果的であると考える。フクロウのペリットは、学校教育だけでなく、生涯教育の教育資料としても役立てることができる。