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ポスター発表

 

19、多摩動物公園における昆虫の教育プログラム

 

山崎 彩夏

東京動物園協会

 

昆虫はかつて、我々にとって最も身近な種であり、自然界に対する子どもの好奇心を掻き立てる素晴らしい体験をもたらすものであった。しかし、最近では、都会に住む子どもが昆虫に近づき、実際に昆虫に触る機会は減っている。
小学校のカリキュラムにおいて、昆虫は科学の教育ツールとして定着している。しかし教師の多くは、昆虫の飼育に十分な時間を割くことや、昆虫の飼育に関する情報を提供することができない。そのため、学校のカリキュラムは教科書中心となっており、子どもが昆虫に対して恐怖心を抱くことが多い。
子どもに昆虫を好きになってもらうために、多摩動物公園では、小学校のカリキュラムの一環として昆虫教育プログラムを行っている。このプログラムでは、昆虫に触ることによって子どもを昆虫好きにするために、2つの活動要素が組み合わされている。
まず、いくつかの昆虫を児童に渡し、昆虫の正しい触りかたを学ばせる。次に、わらの棒を使って多様な行動反応を引き出すためにコオロギを刺激する実例をいくつか示すことにより、すべての児童をコオロギ相撲に参加させる。このプログラムは2000年以降、昆虫に対する恐怖心を取り去るうえで5万人を超える児童にプラスの影響を与えており、児童の心に、昆虫を大切にする意識を芽生えさせるものとなっている。